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花綵の会への想い

ウェディング装花や料亭の生け込みの仕事をして毎日忙しくしていた頃のこと。

 

虫に食べられてしまった花や少し散り始めた花びらは命あるものでも廃棄され、農薬をたっぷりと使った豪華で完璧な花が美しいとされていました。

 

私も最初はそんな花の違いはわからず、ただただ市場に並ぶ人工的な花を美しいと思っていました。

 

しかし、どんどん先に先にと進んでしまう市場の花。

 

冬には春の花が並び、春には夏の花が並びます。

 

今の季節をそのまま感じたいのに、どうしてなんだろう?

 

虫食いの葉っぱや花はどうして美しくないの?

茎は曲がっていたら生けにくいの?

本当に完璧じゃないといけないの?

 

そんな壁に目の前を真っ暗にされた頃、平井かずみさんと出会いました。

 

平井さんの扱う花は那須の畑で露地栽培されている草花。どの子もそれぞれの方向を向いて、楚々とした花をつけ、虫食いの葉っぱはまるでアートのような美しさです。

 

その出会いに感銘を受け、私はまた花と繋がり始めました。

 

太陽の光を探して伸ばした茎は、あちこちにクネクネと曲がり、まっすぐではない曲線の美しさを教えてくれます。

 

あれから10年…

 

簗田寺の里山で育った草花は、自然そのものの姿で生きる力を私に教えてくれています。

 

冬には葉を落として、できるだけ力を使わずにグッと寒さを耐え忍ぶこと。

 

それは、植物たちの生きる知恵です。

 

そんな冬の森の景色をそのまま部屋の中に飾って、今生きている季節と繋がっていたい。

 

今自分が生きている季節を愛しみたい。

 

そんな花のしつらいを春、夏、秋、冬と変わりゆく日本の四季の移ろいを感じられる花生けを。

 

『花との付き合い方がわからない』

『すぐに枯らしてしまうから、かわいそうで花が買えない』

 

そんな方に花のある暮らしの豊かさを伝えたい。ぜひ、一緒に季節の移ろいを愉しみませんか?

花綵の由来

日本列島のように島々が弓なりに配列している列島のことを花綵列島と呼ばれています。花を編んで作った綱=花綵(はなづな)のような弧状をしている列島の意で、ドイツのペッシェルが称したものだそうです。

 

植物を通して季節を感じ、日本の五季(春・梅雨・夏・秋・冬)とつながっていたい。

植物を通して人と人とがつながっていく場所にしたい。

そんな想いから 花綵 hanazuna という屋号に決めました。

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花綵へ込めた願い

流れるような日々の中で、芽吹き、花が咲き、葉を落とし、実をつける。

風が吹き、やさしく揺れ、やわらかな光となる。

めぐる季節のなか、めぐるふくよかな想い。

 

ひとつひとつのめぐりが、たくさん綵がっていきますように。

フラワースタイリスト 野沢ちか

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